
百歳を超えてお元気にしていたおばぁさんがいた。
食事は何でも、モグモグしっかり食べる。
杖をついて、時々お散歩をしていた。
九十九歳まで、家族に手伝ってもらいながら、ひとり暮らしをしていた。
百歳になる少し前から、老人ホームで生活がはじまった。
ある時期、風邪が流行った、おばぁさんも熱が出て、しばらく寝込んだ。
あれよあれよと、大好きだったご飯の時間が苦痛になった。
何も食べていないのに、お腹いっぱいと言って、箸を置く日が続いた。
百歳を超えているのだから、いつ何が起きてもおかしくない。
少し前までの口癖が、
「わたしね、百歳まで生きてみたいと思ってるの。」
家族は、
「この間、桜を一緒に見に行ったばかりなのに…
あの時は、杖をついて、あんなに元気だったのに…」
と悲しんだ。
数ヵ月がたった時、ご家族と筆談をして、笑顔のおばぁさんを見かけた。
少し痩せたけれど、にこにこされて、
こちらもついつい、にこにこしてしまう。
たくさんは食べられなくなったけれど、
家族のもってきたものは、よく食べている。
もしかしたら、家族のために無理にでも食べているのかもしれない、
それは、おばぁさんしかわからない。
わたしは、乳がんを経験したとき、
無理をしない自然な生き方をしていたら、病気はやってこないと学んだ。
アトピーは、自然から離れた生き方を見直すための病。
無理しない生き方って何?
自然な生き方って何?
どうしたら良いのか、当時は悩みながら、必死に答えを探して行動した。
無理しない、自然な生き方をしていそうな人の話をよく聞いた。
人それぞれの無理や自然な感覚は、
自分に当てはまらなかった、当てはめなくて良いことだった。
わたしは、わたしなりの無理をしない自然な生き方をすればいい。
百歳を超えてお元気なお年寄りが、何も病を経験したことがないわけではない。
結構な大病をされていることもある。
病気をしたことも、自然なことだったのかもしれない。
無理をしない自然な生き方は、人それぞれ違うけれど、
自分の感覚と近い人に出会うと、やっぱり嬉しくなる。
(更新日: 2017-08-06)


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