
働いている老人ホームに、父親と同じ年齢の方が入所している。
若年性認知症と言われている。
ボロボロこぼしてご飯を食べている姿に父親を重ねて、
「しっかりしてねー」と、感情が出てくる。
時々、ご飯の食べ方がわからなくなる。
スタッフへ食べさせてーと、ジェスチャーをする。
おはようと声をかける、すこしの間を待って、おはようと言葉がかえってくる。
同じテーブルの、90代のお年寄りに、
「しっかりしなさいよ、あなたは若いのよ」
と、世話を焼かれながら生活をしている。
わたしの父と同じ年なので、同じ年頃の息子達がいる。
夏休みのお孫さんを連れて、息子さん家族が会いに来た。
こちらが泣けちゃうくらいに、表情が違う、よほど嬉しかったのかな、
時々、顔をくしゃくしゃにして笑ったり、泣いたりしていた。
車いすに座った、時々よだれが流れちゃう“じいじ”の顔を見上げながら、
お孫さん達は笑顔でお話しをしていた。
帰り際、バイバイと“じいじ”の体をぽんぽんと触っていた。
“じいじ”は、とっても優しい顔になっていた。
翌日から、“じいじ”は、シャキッとしている。
昨日居なかったスタッフが、今日は様子が違う事に気がつく程に、変化していた。
息子さん家族からの
“また来るね”の言葉
お孫さん達に会えたこと
“じいじ”は、家族の愛情を感じて、表現することができた
わたしは、それが嬉しかった。
お年寄りのところへ家族が会いに来ているとき、わたしも嬉しくなる。
アトピーがひどかったとき、ガンを患ったとき、
元気になった今も、家族は優しく温かい。
元気になった今のほうが、家族の存在に感謝する意識がある。
病気をした経験にさえ、感情の気持ちが湧いてくる。
何も経験しなかったら、何もわからないままだった。
夏休みはおわるけれど、わたしもまた家族に会いに行きたくなった。
(更新日: 2017-09-11)


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朋ちゃん、私も施設に入っている父に会いに行ったばかりだけど、また行きたくなったよ♥