家族は心のふるさと

いつも、背中をしゃんと伸ばして座っているお年寄りが、少し不安そうな表情でこちらを見ていた。
どうしたのかなと思って近くへ行くと、お年寄りから手を伸ばして、ぎゅっと手を握ってきた。

 

何だか、いつもと違う。

 

そして、

 

「だみだ(だめだ)、だみだ(だめだ)」と、背中を丸めてうつむきながら、小さな声で繰り返している。
あら、鼻先が赤くなっている、おでこも温かい。

 

認知症のあるお年寄り、
熱があるみたいだよ、とか
体がダルいよと、言葉に出来ないけれど、伝えてくれている。

 

1年、2年、3年…毎日のように、朝の挨拶をしたり、食事時に顔を合わせてきたら、6年たっていた。

 

認知症のあるお年寄りは、わたしの顔も名前もあっという間に忘れてしまう。
でも、何だか覚えてもらえていると感じるときがある。
何となく、声とか雰囲気を覚えているのかな。

 

はじめましての不安そうな表情から、時間がたって、
あっ、みたことある人が来た!
って感じが伝わってくる。
ちょっと、隣に座って、お茶飲んでいきなさいよと声をかけてもらうことがある。

 

もっと、嬉しいのは、家族が来たときです。
息子さんや娘さんの顔を優しい表情で見つめていたり、お孫さんや玄孫さんが来たときは、
もう可愛くてたまらないのでしょうね、目尻が下がりっぱなし。
家族って良いな、やっぱり家族だ、お年寄りの表情が全然違うのです。
人の原点を見せてもらっている。

 

家族は心のふるさとですね。

 

私自身、療養生活中は、家族へ不安や不満を吐露したけれど、家族に優しくしてもらいたかった。
あの頃、とってもしんどかったから、仕方ない。
支えてもらったこと、今は感謝するばかりだ。

 

12月になり、年末年始が近くなってくると、離れて暮らす家族に会いたくなります。
当たり前に家族に会える、今の幸せな時間を大切にしたいです。

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朋子
れのあ顧問管理栄養士(非常勤) 乳がんとアトピーを経験しました。 がんサバイバーとして2010年ホノルルマラソンへ参加した時に、同じくホノルルマラソンに参加していた笛木紀子さんと出逢い、アトピー改善のためにれのあへ通い始めました。 れのあ式を取り入れてみると自分の体が変化していくのが楽しくて、れのあの変化に着いていくことに毎回ワクワクしています。 がんもアトピーも体験した自分は結婚は無理だとあきらめていたのに結婚でき、心穏やかに過ごせる日々に感謝しています。 ふだんは高齢者施設(http://www.tv-tokyo.co.jp/ikiru/movie316.html)で管理栄養士として働いています。
アトピーくらぶ れのあ