大好きな笑顔に会いにいく

4、5日ぶりに顔を合わせたとき、
顔を見るなり“今日は居たのかぇ”と、笑顔を見せてくださる、好きなお年寄りがいます

認知症が進行し、家族と暮らせなくなり、施設に入所されました
施設で暮らしはじめたばかりの頃、この方は怒ったり、つねったりするから、栄養士さん気を付けてねと、スタッフから教えてもらいました

あまり、刺激をしないように、わたしは少し離れたところから、見ていました

その方は、手を使ってご飯を食べる習慣がありました
家族からは、家でもずっとそうやって食べてきているので、そのまま受け入れてほしいと言ってもらいました

それでも、食事の時間になると、その方の事が気になって、いつも様子を見に行きました

少し、お手伝いしようかなと、良かれと思って食器を動かしたり、声をかけると、シッ!ほっといて頂戴と言わんばかりに、手を払われました

ならばと、食事をしていない時に、毎日、会いに行きました

おはようございます
こんにちはと声をかけると、すましたお顔で、何も言わなかったり、挨拶してくれたり、キッーっと歯をむいて怒られるときもありました

だんだん、この方、仮にかよさんとしますね
かよさんが、気の毒になぁとか、語尾に○○ちゃ、富山弁を話すことを知りました

わたしも、調子に合わせて、田舎言葉で返していたら、だんだん、だんだん、かよさんの話すことが変わってきました

今日は駄目か?
嫌になってしもうた!
頭がふぁーっとして、嫌になる!と言うのです

わたしは、そうか、そうか、困ったねぇ、でも大丈夫ですよ、心配ないですよと、いつも言っていました

今では、お話しをして、わたしが場を外そうとすると、それに気が付いて、わたしよりも先に、“また来てくださいな”と言うのです

また、来ますねと言って、わたしは立ち去ります

少したって、本当にまた、かよさんの近くに居ると、
“あれ、また来た”と言いながら、おどけて見せてくれるので、それが愛らしくてたまらないのです

はじめは絶対に目を合わせてくれなかったけれど、今は、かよさんからしっかり目と言うより、瞳を合わせて微笑みます

90代の半ばを過ぎているかよさんは、この頃、目が小さく、お顔の皺が益々深くなってきました

いつまでも、お話しをして、ご飯を食べて、元気で居てほしいけれど、いのちの時間は、いつかお知らせが来ますね

かよさんの笑顔がみたくて、かよさんに1日でも多く笑顔で暮らしてほしいです

わたしの働く意味、元気で居たい理由はそこにあります

少し休んで、仕事に行ったからかな、余計にそういう思いに気がつきました

ゆっくり、しっかり、毎日を味わっていこうと思います

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朋子
れのあ顧問管理栄養士(非常勤) 乳がんとアトピーを経験しました。 がんサバイバーとして2010年ホノルルマラソンへ参加した時に、同じくホノルルマラソンに参加していた笛木紀子さんと出逢い、アトピー改善のためにれのあへ通い始めました。 れのあ式を取り入れてみると自分の体が変化していくのが楽しくて、れのあの変化に着いていくことに毎回ワクワクしています。 がんもアトピーも体験した自分は結婚は無理だとあきらめていたのに結婚でき、心穏やかに過ごせる日々に感謝しています。 ふだんは高齢者施設(http://www.tv-tokyo.co.jp/ikiru/movie316.html)で管理栄養士として働いています。
アトピーくらぶ れのあ