
ある日
若いスタッフが
しげさん(仮名です)に、ラーメンを食べさせてあげたい
と相談にきました
スタッフが、七夕の短冊へ願いごとを書いてもらったら、しげさんがラーメンたべたいと書いたと言う
七夕の短冊を見に行くと、少し震えた文字で書いてありました
「ラーメンたべたい しげ爺」
しげさんがラーメンたべたいと思っていたなんて、思いもしませんでした
しげさんは、アルコールが大好きだったことを家族から聞いていました
お酒の後のラーメン、しげさんの好物でした
さっそく、しげさんと家族、スタッフ、もうひとりのラーメン好きなお爺さんでラーメンを食べに外食へ行きました
認知症を発症して、介護が必要になってから、お箸よりもスプーンを使う方が楽になり、しげさんは歯も弱くなっていました
一緒に行ったスタッフから、しげさんの家族、奥さまがとても嬉しそうにされていたと聞きました
しげさんが、ラーメンを食べられると思わなかったと、驚いていたそうです
しげさんは、夕方になると、車椅子を自分でこいで、廊下にいます
目が合うと、玄関まで押してくれる?家に帰ろうと思ってんだよーと、穏やかにいいます
少しすると、もう疲れちゃったから、帰るのやめたとも言って相撲を見ています
奥さまは、特にしげさんと仲が良かった訳ではないと言います
でも、月に1度ある喫茶店の催しの時は、必ず来ていて、しげさんとコーヒーやパンケーキを食べて過ごされています
家族と一緒にご飯を食べる
いっしょに暮らしていたときは当たり前の光景、介護が必要になって、施設へ入所してからは、違ってきます
我慢したり、させたり、諦めたり、諦めさせたり、そうせざるを得ないときも、色々あるけれど、折り合いつけて、楽しく暮らすことがいちばんだなぁと感じた出来事でした
(更新日: 2019-08-02)


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