言葉にならない声がある

病院から、入院中のお年寄りの退院に向けた相談がありました
食事があまり食べられていないという
看護師さんと話しながら、あるおばぁさんの話になりました

 

昨年12月
入院した病院の医師から

 

点滴を外したら
2、3日のいのちと言われ
施設へ帰ってきたおばぁさんがいます

 

12月のはじめ頃
おばぁさんは
持病の心臓病が悪化して
入院しました

 

年末が近づいて
入院中のおばぁさんの家族は
病院の医師からこう言われたといいます

 

病院で出来ることは何もありません
お口からは食べられません
点滴を外したら、2、3日でしょう
それでも、よければ施設へお帰りください

 

家族が涙をこらえながら、施設へ相談にきました
1日でも長く生きられるならば、点滴を続けられる病院へ入院をしたいと今は思っています

 

ところが、数日後
家族から改めてお話しがありました
家族で、もういちど、おばぁさんが最期に居たい場所は、どこだろうと考えました
聞き慣れた声がそばにある、住み慣れた環境のこちらへ戻ることを選択しました

 

施設へ帰ってきてから二晩
家族が、おばぁさんのそばに居たいのでと、申し出があって泊まりました
母と同じ部屋で寝たのは、久しぶりでしたという、家族の言葉が温かくて印象的でした

 

退院してからおばぁさんは
数口のお水を飲むことができました
家族からは、お汁粉を数口飲ませてもらいました
しばらくすると、ペースト状の果物が食べられました
ヨーグルトが食べられました

 

退院して、もうすぐ3ヶ月
量は少しだけど
お粥とおかずも食べています

 

この頃は
もう少し、食事の量を増やしてあげたい
今のままが、ちょうどいいよ
2つの意見が聞こえるようになりました

 

寝ているはるさん(仮名です)から、教えてもらえたら、いいのにと思う

 

「はるさん、おはよう」
と、今日も話しかけました

 

「もう少し食べたいよ」
「もう少し食べられるよ」
「今のままがいいよ」

 

そんな言葉が聞こえてきたらいいのにと思うけれど
はるさんからは、言葉にならない声があるだけ
でも、しっかりと目を合わせています
声が聞けるだけで、やはりホッとするのです

 

はるさんが、今日を生きている
それが、うれしいです

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朋子
れのあ顧問管理栄養士(非常勤) 乳がんとアトピーを経験しました。 がんサバイバーとして2010年ホノルルマラソンへ参加した時に、同じくホノルルマラソンに参加していた笛木紀子さんと出逢い、アトピー改善のためにれのあへ通い始めました。 れのあ式を取り入れてみると自分の体が変化していくのが楽しくて、れのあの変化に着いていくことに毎回ワクワクしています。 がんもアトピーも体験した自分は結婚は無理だとあきらめていたのに結婚でき、心穏やかに過ごせる日々に感謝しています。 ふだんは高齢者施設(http://www.tv-tokyo.co.jp/ikiru/movie316.html)で管理栄養士として働いています。
アトピーくらぶ れのあ